公共事業と蘇我氏・物部氏
これは「ゼネコン」を考えたらすぐにわかります。
蘇我氏(そがし、6世紀−7世紀前半の有力豪族)についたら、お寺も仏像もつくれる。公共事業の仕事が山ほどいただける。
現代の市長選挙などでも、ゼネコン関係者は、「いっぱい橋をつくります」いう人に投票するでしょう。
一方、物部氏(もののべし)についたら、公共事業は一切こない。
ひたすらお寺や仏像を壊して燃やすだけですから。
蘇我氏は仏を崇拝する(崇仏派)。物部氏は反崇仏派。
こう見ていけば、東アジアの国々が崇仏派に賛成する理由がわかりますよね。
歴史は、このように、いろいろな事柄がすべて結びついています。
仏教伝来でも、日本史だけを見ていたらわからない。
世界史の流れの中で日本史を見なければいけない。
相互の関係を見ていくと、めちゃくちゃ歴史は面白くなるのです。
過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。