商船三井、池田潤一郎社長Photo by Kazutoshi Sumitomo

リーマンショック以降、長引く海運不況でたまった膿を出そうと構造改革を進める海運業界。2018年春、日本郵船、商船三井、川崎汽船の大手3社はコンテナ船事業を切り離して統合した。これを契機に、商船三井は独自の強みを生かした事業ポートフォリオに転換を図っている。LNG船や海洋事業に集中投資を行いながら、環境・エミッションフリー事業を強化する池田潤一郎社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)

――2020年1月から強化されるSOX規制(燃料油に含まれる硫黄分含有率の規制)など、環境規制への対応や、それに伴うテクノロジーの進化に、どのように向き合っていきますか。

 海運業界はいわゆるローテク産業であり、船舶の技術的な進化は基本的には定まっていて、あまり大きく変化はしてきませんでした。SOX規制についは粛々と対応しますが(商船三井は適合油使用への切り替えが主体)、こうした取り組みに従来は「受け身」でした。けれど今、お客の方から環境・エミッションフリーに対するニーズが高まってきています。

 今はわれわれも受け身ではなく、他社との差別化のために先取りしていこうと方向転換しており、具体的な案件を進められるようになっています。その筆頭株が、「ウィンドチャレンジャープロジェクト」です。当社と大島造船所が共同で、硬翼帆式風力発電(風力エネルギーを硬翼帆によって、推進力に変換して利用すること)の新造船プロジェクトを進めています。