新学閥第12回

連載「新学閥 早慶・東大・一橋・名門高校」(全19回)の第8~13回は地方編。名門大学、名門高校が群雄割拠する首都圏と異なり、地方には地元政官財を牛耳る鉄壁の大学閥、高校閥が存在する。お国柄溢れる各地の最新ネットワークを解剖しよう。第12回は中国・四国編をお届けする。(「週刊ダイヤモンド」2019年7月13日号を基に再編集。肩書や数字は当時のもの)

中国地方の大学の雄のはずの
広島大の悲哀

中国・四国で地元学閥が育たず、関西学閥の「植民地」と化した理由広島財界の重鎮を多数輩出する修道高校。米国建国よりも歴史が古いことが自慢という Photo by Takahisa Suzuki

「中国・四国エリアは“植民地”のようなものです」。そう自慢するのは関西学院大学の幹部だ。

 関学と同じ兵庫県の私立大学、甲南大学の職員は、その言葉の意味を代わりに説明する。

「このエリアは、関西の大学の学閥、特に岡山に接する兵庫の私大閥が強い。東京のMARCHといった有名私大も食い込めない。学生募集でも同じで、うちや関学はとりわけ岡山や徳島、香川からの進学者が多い。彼らがUターン就職し、学閥が形成されるのです」