1月の埼玉と千葉でも2倍台が

 では、前ページの表について詳しく見ていこう。首都圏でも、埼玉や千葉では1月に入試が行われる。例年、お試しも含めて多くの志願者を集めており、2019年には埼玉の栄東は1万1412人、千葉の市川は3342人といった具合である。

 9月の4社模試の合計で志願者1000人以上となった埼玉と千葉の学校・入試は、埼玉の栄東(A)、女子校では淑徳与野と浦和明の星の1回、そして千葉の市川(1回・英語)である。こうした学校は志願者も多いが、お試し受験も多いので、合格は多めに出している。そのため実倍率は低く、1倍台だった。2020年は淑徳与野と市川はいずれも2倍台になると予想されている。

 埼玉には、例年志願者数が多い有名大学の付属校として男子校の立教新座がある。ここに青山学院大学系属となった共学校の浦和ルーテル学院が加わることになった。9月模試での志願者数はまだ少ないものの、それでも前年比で3倍超の伸びとなり、予想実倍率は6.0倍で前年実績より4.2ポイントアップと急伸しそうな勢いである。

 2019年開校のさいたま市立大宮国際中等教育学校は、地元の中学受験熱を高める結果となった。2020年入試では埼玉・千葉・神奈川の小6人口は減少する。一方で東京の小6人口は増加傾向にある。これが今後、どのように実倍率に反映されていくのか、興味深い。