日本人的な遠慮や、躊躇する気持ちは、
英会話上達の敵

 一方、日本の教育を長く受け、思春期を迎えている長男が、不自由な英語で授業中や仲間内で発言できるようになるまでには、時間がかかりました。私自身の経験からも言えますが、英語力に加え話の内容に自信がないと、なかなか発言できないものです。

 とは言っても、彼はまだ中学生で柔軟性もあったため、徐々に周囲がたわいのない話題や発言内容でも堂々と話していることを察し始め、自分も得意な分野から少しずつ発言できるようになったようでした。

 息子二人の英語習得までの過程の違いと、私自身の長年の苦労を振り返ってみて、“正しい英語で、意味ある発言をしなければならない”というメンタルブロックは、英語の習得をはばむものだと、つくづく思います

 多少語弊のある表現ですが、英語圏の人は、たわいのない内容も言葉にします。

 まずは何か言ってみるという姿勢を持ちましょう。日本人的な遠慮や、躊躇する気持ちは、英会話の上達の敵なのです。

 そもそも、スモールトークは軽い話題の会話ですから、気楽に構えましょう。

 目の前に見えていること、自分が感じたこと、日本人同士だったらわざわざ言わないということも、とにかく口に出してみようと、発想を切りかえてください。

 日本人同士だったら、簡単に人の持ち物にコメントしたりしませんが、軽い気持ちで爽やかにほめる、ほめられたら明るくありがとう、といった感じです。