介護を手伝うことがなかった実の子どもたちや親戚とモメた末に、介護者(おもにお嫁さん)が涙を飲むことがほとんどだったが法改正で現金請求が可能に(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「人生100年時代」といわれる近年、寿命が延びたことにより、親の介護や認知症事例が増加し、相続に関する状況も変化してきています。約40年ぶりの相続法の改正では、こういった状況が考慮された面もありました。しかし、それは法律上のものであって、実際の相続において、どう対応していけばいいかという点についてはあまりいわれていないのが現状です。そこで前回に続き、これまでに1万件以上の相続の「現場」を見てきた、税理士法人レガシィの最新刊『「親の介護・認知症」でやってはいけない相続』(青春出版社)から、親の介護が必要になった場合の円満相続のヒントを紹介します。

相続法の改正で「介護した人」への貢献度が認められた

 今回の相続法改正でとても注目度が高いのが、「相続人以外の親族の特別寄与制度の創設」です。法定相続人ではない長男の嫁など、介護や看護をした人への貢献が法的にも認められたという意味では、非常に画期的なことでしょう。要は相続人以外にも介護の貢献分を現金請求することが可能になったのです。

 しかし、その金額は「日当」程度です。例えば長男の嫁が義母を10年間介護していたとします。日当2000円として計算すると、「日当2000円×365日×10年=730万円」になります。これを高いと見るか、安いと見るかは人それぞれ、そのご家庭それぞれでも意見が分かれることでしょう。実際、多くの犠牲を払い、義父母を介護し続けても、その貢献に見合った相続がおこなわれることはまずありません。介護を手伝うことがなかった実の子どもたちや親戚とモメた末に、介護者(おもにお嫁さん)が涙を飲むことがほとんどだったのです。