なぜ、天皇の即位という慶事により、子どもに性暴力を行った犯罪者までが権利の復権という形で恩恵を受けるのか。それは被害児童や社会だけでなく、加害者本人にとっても良い決定なのだろうか。

児童への性犯罪、初犯の多くは罰金刑

 日本では児童ポルノや児童買春といった犯罪の加害者は、初犯の場合、よほど悪質でなければ罰金刑で終わることがほとんどだ。今回の復権令の対象となる約55万人のうち、児童に対する性犯罪者がどれほど含まれているのかは、法務省の発表を見てもわからない。だが、一部報道によれば、約55万人のうち、道路交通法違反、過失運転致死、傷害・暴行、窃盗を除く、その他が11.4%(6万2700人)であり、その中に性犯罪者も含まれると考えられる。

 そして彼らは今年10月、復権令により、医師、看護師などの権利が復権されている。これだけでも私たちのような子どもを守る活動をするものにとっては許しがたい決定だ。そして、さらにこれから審査が行われる特別基準恩赦で新たに性犯罪者が復権を求めていくのである。

 特別基準恩赦の請願の締切日は2020年1月21日。そこで、私たちは今回の政令恩赦に意見する署名を集め、法務大臣と内閣総理大臣に届けようと、署名キャンペーン「即位の礼にあわせた恩赦から、子どもへの性犯罪者は除外してください」を行っており、1月中に提出する予定だ。

爆発的に増えている、中学生の自画撮り被害

 人身取引被害者の支援を専門に行うNPOであるライトハウスでは、多くの子どもたちから被害相談を受けてきた。

 児童買春の被害にあった子の中には「加害者が複数の子どもたちに手を出していると武勇伝のように語られた」と話す子もいる。また、児童ポルノの被害にあった子どもは、「複数の児童との性的な行為の写真を加害者に見せられ、“君も同様に写真を送るように”と言われた」という。つまり、少なからぬ加害者が児童への性的犯罪を繰り返し行っているのだ。