小さな「わかる」体験で、算数・数学は得意になる!

 算数・数学を得意にすることと、好きになることには密接な関係があります。

 私が数学を苦手にしていた中高生時代、すべての科目の中で数学が一番嫌いでした。数学が理解できなかったから、そして数学のテストの点数が悪かったからです。

  ところが高校3年生の夏から後半にかけて苦手な数学を克服すると、数学は嫌いではなくなりました。
  教えることを仕事にしている現在、算数と数学はもちろん好きな科目です。

 当たり前のようですが、その科目についてわからないことが増えると、その科目を嫌いになり、その科目についてわかることが増えるとその科目が好きになるのです。

  たとえば、数学の授業を受けていて、先生が言ったり、板書に書いたりしていることがまったく理解できなかったら、楽しいと思うでしょうか。
  みなさんも経験がおありかもしれませんが、わからない授業というのはまったく楽しくありません。

 つまり、算数・数学を好きで得意な科目にするためには、「わかる」「理解できる」ことを少しずつ増やし続けていくことが大切なのです。

どこからわからなくなったのか、つまずきポイントをチェック!

「わかる」「理解できる」ことを少しずつ増やし続けていくには、理解できなくなったところに立ち戻って、学び直す必要があります。

 たとえば、中学2年の1次関数までは理解できたのだが、中学3年の2次関数からは理解できなくなったという方は、もう一度、2次関数の単元を基礎から復習してみるとよいでしょう。

  どこでつまずいたかをチェックするには、私の書いた本『この1冊で一気におさらい! 小中学校9年分の算数・数学がわかる本』を使っていただいてもいいと思います。
  薄くて小さな本ですから、そう時間もかかりません。

  例題を頭から解いていってください。最初は小学校の問題なのでスイスイ解けると思いますが、どこからか「どう解くんだっけ?」と思うページが出てくるでしょう。
  そこがあなたのつまずきポイントです。

 自分のつまずいたところの基礎から学習しなおしてみると「あっ、そういうことだったのか」「自分はこういうところでつまずいていたのか」と気づいたり理解できたりすることがあります。

 そういう気づきや「わかる」という体験を繰り返すと、算数・数学嫌いは徐々に解消していきます。

 わからないことがわかるようになるというのは楽しいことです。わかることが増えて力がついてくると、前向きな気持ちになれるでしょう。