「早くも今年一番の本が決まりました」
という一報

――百々さん、覚えていますか?
僕は営業部のトップに百々さんを紹介してもらい、この本のゲラをお送りした。
だけど、3週間くらい返事をいただけなかった
僕はてっきり、百々さんから、「なんだこの原稿は!!」とコテンパンにいわれるんじゃないかと戦々恐々としていた。
でも、2019年5月16日、
「早くも今年一番の本が決まりました」
と百々さんから興奮のメールが!
あの瞬間は、編集者になって一番か二番目くらいに嬉しかったですね。

百々 そうですか。

――はい。相当多忙な中で読まれたと思いますが、どんな状況だったのでしょう?

百々 あらゆる空き時間を総動員して、すき間時間に少しずつと思っていたのですが、大量のゲラで圧倒されました。でも、まず、チラチラ読むわけですよ。そうしたら、もう止まらないじゃないですか。

――そういう感じだったんですか。

百々 ミステリーみたいに(笑)。次々読めていく。
そして、次は、どうなる? と強烈に好奇心がかきたてられる。
古代の哲学者や宗教家が現代まで、みんなつながっていたり、思想家同士の対立関係や影響を与えたことが人物相関図でわかるから、面白い。
この章が終わったからここでやめよう、と思っても、次の章がまた気になって読んでしまったんです(笑)。

――そうだったんですか。初耳です。どの書店員さんよりも出口さんを熟知する百々さんから見て、『哲学と宗教全史』は今までの出口作品と何が一番違いますか。

百々 出口さんの読書量がすごすぎるから、この本に掲載されている哲学者や宗教家もほんの一部ですよね。

――そのとおりです。

百々 今までの出口作品と違うのは、事実を積み重ねているんだけれども、「物語」になっているから、とことんのめり込めるところですかね。それと本当に読みやすいこと。あれだけ分厚いのに。

――この本の校正者も、「読み出したらもう止まらない。本当に面白かった」といっていました。

百々 絶対にそうだと思います。

――ありがとうございます。つづきはまた次回、お話を聞かせてください。
これまでの『哲学と宗教全史』の連載ダイジェストはこちらをご覧いただければと思います。