安浪:休憩時間に本を読んだり、親とトランプしたりする子もいるのですが、これもじつは脳を働かせ続けていることになるのですか?

枝川:確かにそうですが、影響が大きいのはスマホなどのデジタル機器です。そして、脳を休ませる休憩のとり方ということでいえば、いちばんよいのは「眠る」ことです。脳の働きを見るテストでは、10~15分の昼寝をしたときが最も脳のパフォーマンスが上がることがわかっています。反対に昼寝の時間が30分を超えると睡眠が深い状態になってしまい、脳のパフォーマンスは低下してしまうんですね。

安浪:昼寝が難しい場合はどうしたらよいでしょうか?

枝川:外からの情報は目から入ってくるものが圧倒的に多いので、10~15分の昼寝が難しいときは、目をつむっているだけでも脳の働きはよくなります。

安浪:なるほど。脳を休ませるには、横にならなくても目から情報が入ってこない状態をつくってあげればよいということですね。

枝川:椅子に座ったまま目をつむって、おへそを前に出す感覚で背筋をすっと伸ばす姿勢をとるのも、身体感覚が変わって、気持ちの切り替えという意味ではいいですよ。

安浪:ミスというのも集中力と関係あると思うのですが、試験当日に緊張して凡ミスをしたり、考えられないような転記ミスをしたりする子もいるんです。ミスを防ぐには、頭の中で声を出して読むのがいいともいわれますが、これはやっぱり効果的なんですか?

枝川:頭の中で読むのはいいですね。脳の使い方でいうと、「作業に注意を向ける」ことがミスをなくすにはいいんです。書きながら違うことを考えていると、脳の中の注意がそちらに向いて作業がおろそかになる。それがミスを呼びますから。その意味では、指で文字を追って、指先に注意を向ける「指さし確認」も効果的です。