明確な「報酬」を与える

 優秀なメンバーが成果の出せないメンバーにアドバイスしたり、ノウハウを共有したりしたがらない原因は、そんなことをしても一銭の得にもならないうえに、成果の出せないメンバーが成長してしまっては自分の優秀さが脅おびやかされるからです。

 優秀なメンバーの気持ちもわかります。見返りがなくては、アドバイスをする理由がありません。

 だから、報酬を支払うのです。

「アドバイス料」が入ってくることがわかれば、優秀なメンバーは進んでアドバイスをするようになります。

 アドバイスは立派な「仕事」。優秀なメンバーの「ボランティア」に甘えてはいけません。

「どのようなときに、何を協力し合うか」。まず、これをチームで定める必要があります。その上で、評価項目にも「チームへの貢献」などを追加しましょう。

 アドバイスを「ボランティア」ではなく、「仕事」にするのです。

 もしも「助け合い」に価値がないのであれば、会社はみんな、個々の成績に応じて報酬を支払う個人契約を結んでいるはずでしょう。

 しかし多くの会社は、そうではありません。それが何より、「助け合い」に「個人勝負」以上の大きな価値があることの証明でしょう。