北朝鮮は2016年~17年に相次いでミサイルを発射したことで国際社会から大きな非難を浴び、一連の追加制裁を科される事態となった。しかし、その挑発行為のおかげで、米大統領との初の首脳会談という果実も手に入れることができた。北朝鮮が先週、明らかにした新たな対米政策は、挑発的な戦略が再び奏功すると同国が読んでいることをうかがわせる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、過去2年の外交路線が実を結ばなかったことで、対米関係を「ハードリセット(強制初期化)」しようとしているようだ。正恩氏はエリート幹部を前に行った7時間に及ぶ演説で、もはや核兵器や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を自粛する必要はないと表明。長距離兵器の実験を再び断行する構えを示し、米国をけん制した。