とはいえ要約者は、本書を読んで、自分の未来に一条の光が差し込むような気がした。たとえ時間がかかったとしても、「ヤバい集中力」を発揮できさえすれば「ヤバい成果」しか出ないだろうと思うからだ。そこに至る道は本書に示された。さあ、この道を進むも進まないもあなた次第である。(金井美穂)

本書の要点

(1)「集中力」という単一の能力は存在しない。その全体像を把握するためには、人間の心の基本的システムである本能(獣)と理性(調教師)の性質を理解する必要がある。
(2)「ヤバい集中力」を発揮するには、獣に栄養を与えることが大切だ。脳に良い食品を増やし、悪い食品を減らすことで、脳機能の改善が期待できる。
(3)「報酬の予感」で獣を作業に夢中にさせ、「マイ儀式」の反復で集中モードを作ることができる。

要約本文

【必読ポイント!】
◆集中力の正体
◇「集中力」など存在しない

 いかに気を散らさずに目の前の作業に取り組むか――古より人類が悩み続けてきたこの問いについて考える前に、まず集中力の正体を知っておく必要がある。

 たとえば、勉強する場面を例に考えてみよう。テキストを開いたはいいが、いつの間にかメールチェックで30分が経過していたなんてことはないだろうか。作業に取り掛かるまでが最初の関門なのだ。そこを突破するには、「自分は難しいことでもやり遂げられるのだ」という「自己効力感」と、やる気を引き出して気持ちを高めていく「モチベーション管理能力」が必要となる。

 次に待ち受けているのは、勉強に意識を向け続けるという試練である。ここでは「注意の持続力」が求められる。

 最大の関門が誘惑だ。スマホの通知や買ったばかりのゲームなどといった外的誘惑だけでない。テキストに「チンギス・ハン」という単語を見つければ、その単語から連想される記憶が自然と呼び起こされる。ここでは「セルフコントロール能力」が求められる。