OSDの代表理事で、不動産鑑定士の馬場佳子さんによると、クラウドファンディングを始めたのは、8050問題の身近さがまだ一般には理解されていないことに加え、そもそもOSDのスタッフがほとんど手弁当で活動しているため、運営資金を補填したい目的があったという。

 最近は、福祉制度の狭間に置かれた引きこもる本人からの相談も多く、「交通費がなくて地方から相談に行けない」「お金を使ってしまうと今後の生活ができず、活動したくても一歩を踏み出せない」など、現状をなかなか打開できない問題もあった。

事務作業を当事者に頼み
報酬を支払うだけで赤字に

OSDサロンの様子

 また、「OSDサロン」では、引きこもる子を抱えた親のための居場所も設けているが、年末年始などの行事のときには当事者たちも一緒に加わって、疲弊した親たちに温かい食事を提供したところ、大好評だったため、今年からは毎回、提案する予定だという。

「もともとほとんとが手弁当で、運営費がありませんでした。問い合わせ対応などの事務作業を当事者の方々にお願いし、時給1030円をお支払いしているのですが、そこがすべて赤字になっている。また、サロンで提供する食事代の赤字部分も、補填できればと考えています」(馬場代表理事)

 実際、子が親元から独立したいという要望があれば、一緒に住居を見に行くこともあるし、働きたいのに支援者にさえ就職支援を断られてばかりという人には、「引きこもりだった人でも雇いたい」と希望する雇用主との面接に同行することもある。