試験合格の最短ルートは「効率」より「没頭」

 私は職業柄、SNSなどを通じていろいろな質問をもらうのですが、そのほとんどが「効率のいい勉強方法について教えてください」というものです。

 効率を重視する気持ちは、私もよくわかります。私自身、より効率的なやり方を求めて、中学・高校時代には500冊近く、勉強法に関連する本を読みまくっていました。けれども、それは単に効率だけを求めたからではありません。

 勉強がおもしろくて、「大学受験」というゲームを攻略したくてのめり込んだ結果、より効率的に勉強できる方法を探したのです。それに対して、質問してくる人たちは、ただ合格したいがために手っ取り早い方法を聞いてきているように見受けられます。

 効率を意識しすぎると、結果を早く求めようとします。すぐに結果に表れなかったら、有効なやり方なのにやめてしまい、また別の方法を探す……というように、ノウハウのコレクターになりがちです。

 また、効率ばかりを重視すると、勉強内容がおろそかになりかねません。内容よりも効率的にやることそのものが第一義になってしまい、本当は合格が目的なのに、「3月までに英文法を終わらせる」ことが目的になるなど、目的と手段が入れ替わる事態を招いてしまうのです。

 そのような方法をとっている人は、勉強が身についていない場合が多く、それでは本末転倒です。

 もちろん、すぐに成績が上がることも大事ですが、まずは勉強をおもしろくすることを考え、それを続けていくことのほうが重要だと私は考えます。

 たとえば、川を渡ろうとするとき、それが最短距離だからと泳いで渡る人はなかなかいないでしょう。命の危険にさらされるリスクを負うよりも、遠回りでも橋を渡ったほうが確実です。「急がば回れ」です。それなのに、なぜか、勉強だとみんな泳ごうとしたり、泳ぐために体を鍛えたりと、どんどん違う方向に行ってしまっているように見えます。

 着実に目的地に到達するためには、まずは「没頭」を第一にすることです。

 没頭すると、もっともっとそこに時間をかけたいがために、自ずから効率のいい方法を探すようになり、そのほうが間違いなく早く成果が出ます。

 あえて効率を求めなくても、自動的に効率が手に入るのです。

 没頭に導くきっかけとして、私はいわゆる教材ではなく、漫画や本を読むことを受講生にすすめるようにしています。歴史だったら、それこそたくさんの漫画が出版されています。数学にまつわる興味深い話が書かれた本や映画『博士の愛した数式』などを観て、苦手だった数学のおもしろさに目覚めた人もいました。

 これまで没頭を重視して教えてきた結果、受講生たちは飛躍的に伸びていきました。

・勉強時間が3時間から10時間にアップ
・漢文の成績が1ヵ月の勉強で県1位に
・英語の偏差値が1年で40から70になり、志望校に一発合格
・5年間不合格だった難関の税理士試験に合格

 小学4年生から50代の社会人まで、成功率はじつに95%です。

 『偏差値95の勉強法』でお伝えするのは、普段私が受講生に教えていることを一人でもできるようにした勉強法です。

 繰り返しになりますが、効率よりも没頭することを優先すれば、資格取得、受験合格、点数アップ、目標達成、そのほか学ばなくてはいけないこと、覚えなくてはいけないこと、すべてにおいて最短ルートでゴールに到達できます。

 ゲームでレベルアップしない人はいません。それと同じように、この方法なら、勉強でも確実にレベルアップできます。

 成績が上がらないわけがないのです。