Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術
『Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術』 アルベルト・サヴォイア 著 石井 ひろみ 訳 サンマーク出版 1800円(税別)

 本書『Google×スタンフォード NO FLOP! 失敗できない人の失敗しない技術』は、ビジネスのアイデアを事業化し、失敗しないための方法論と思考ツールを紹介している。

 著者のアルベルト・サヴォイア氏は、起業家・イノベーター・講演家。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の技術革新賞や、InfoWorld誌の「世界のベストCTO 25」賞など、栄誉ある業界賞を数多く受賞している。

 サヴォイア氏には、過去に新規事業の立ち上げに大失敗した苦い経験があるそうだ。それは、数々の成功の実績を積んだ後のことだ。

 そんな経験から同氏は、それまでの成功は、単に運が良かっただけではないかと考えた。そして、自身の成功および失敗の体験や、世の中のさまざまな事例を分析してみた。

 その結果、たどり着いたのが「新製品失敗の法則」。「たとえどんなにきちんと作って売ったとしても、ほとんどの新製品やサービス、新規事業は失敗する」というものだ。

 サヴォイア氏は、だからこそ、どんなに斬新で世に受け入れられそうなアイデアであっても、90%の確率で失敗することを前提にすべきだと説く。

 これだけだと、悲観的にならざるを得ないのだが、同氏の研究はそれで終わりではなかった。その後、「新製品失敗の法則」に打ち勝ち、失敗することなくアイデアを新製品や新サービスとして事業化するための独自の方法論をまとめあげたのだ。

 輝かしい成功と、手痛い失敗の両方を経験した著者が編み出した、新規事業を成功に導く方法論とはどのようなものだろうか。

アイデアを具体化する「XYZ仮説」とは

 サヴォイア氏は「失敗(Failure)の原因は、市場参入(Launch)か機能(Operations)、またはコンセプト(Premise)である」と説く。そして、この概念を、四つの単語の頭文字をとり「FLOP」と呼んでいる。

「市場参入」の失敗は、販売やマーケティングに問題があったときに起こる。

 また「機能」が失敗の原因となるのは、新製品がユーザーの期待する最低限のデザインや機能、信頼性を満たせなかったケースだ。

 だが、これら2つの原因は、実はそれほど多くない。ほとんどの失敗の原因は「コンセプト」なのだという。そもそものアイデアが人々の興味を引かないものだった、ということだ。 

 すなわち、まずはアイデアが、「市場に欲しがられているもの」なのかを確認することが大事なのだ。では、そのためには具体的にどうすればいいのか。