米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は、新型肺炎のまん延により中国経済が停滞していることで、業績に大きな影響を受けるとみられるテスラとアップルの2社について取り上げます。両社は先行きについて、今のところ正反対の見方をしているようです。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
アップルが売上高未達を発表
新型肺炎で企業業績にも実害
中国湖北省の武漢市から発生した新型肺炎は世界中に拡散。本稿執筆時点(2月18日15:00)で、感染者数は全世界で5万8000人を超え、死者数は1873人に上っています。
日本でも企業によっては自宅勤務を奨励したり、大規模なイベントを中止にしたりするなど、経済活動や市民生活が停滞し始めました。
世界の製造業にとっては、より深刻な状況でしょう。中国では新型肺炎の封じ込めのために政府が人々に移動制限を課しており、製造工場で働く工員が出勤できず、工場はほとんど稼働できていません。
世界の自動車・電機メーカーは、中国に自社製品の製造工場があったり、部品の調達先メーカーがあったりするなど、サプライチェーンに何らかの形で中国が組み入れられていることがほとんど。その中国が機能しないとなれば、製品の出荷がままならず、この先の業績には大きなマイナスが出ることが予想されています。
実際、米アップルは2020年1~3月期の売上高目標である630億~670億ドルが達成できないという見通しを発表しました。米「ウォール・ストリート・ジャーナル」(WSJ)でも、このことを取り上げています。
●米「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>アップル、新型肺炎で1-3月期の売上高目標未達へ
記事では「米主要企業でこうした発表をするのは同社(アップル)が初めて」と言及。「世界で販売するスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の生産が制約を受け、中国でのアップル製品の需要が縮小していると説明した」と報じています。
今後、日本の自動車・電機メーカーも、アップルと同様の発表をすることは容易に想像できます。ただ、例外もあるようです。
それが電気自動車メーカーの米テスラです。