アウディ「アヴス」

1991年に披露されたアルミボディーとW12エンジンのコンセプトカーの「アヴス」ですが残念ながら、このミッドエンジンのスーパーカーに未来はないと判断され、市販化には至りませんでした。
1930年代のドイツの自動車メーカー アウトウニオン(今日のアウディの前身)の流線型ボディーにインスパイヤされた、この素晴らしいクルマは、1990年代の不況が原因の一旦を担っていたのも事実です。
メルセデス・ベンツ「C112」

スポーツカー選手権やル・マン24時間レースで勝利をおさめたメルセデス・ベンツは、1991年にこの美しいミッドシップのスーパーカーを披露しました。
レースカー用にザウバー(スイスでは数少ないレーシングチーム)が製造した「C11」のロードカー版で、エンジンは6リッターV12、アクティブエアロや最新のテクノロジーが駆使されていました。
しかし、発表されたときには、生みの親だった役員がすでにベンツを去っており、この高級車の市販化を進める人が誰もいなくなってしまったため、お蔵入りとなってしまったのです。
日産「IDx」

アメリカにおいて、廉価(れんか)でありながら欧州車並みに高度なスペックを備えた魅力的なセダンとして、「プアマンズ・BMW」とも呼ばれた「510」。さらにラリーフィールドでも、そのタフネスな活躍ぶりとも相まって人気を高め、史上初めて北米市場でヒットした日本車になります。そして続いて開発されたスポーツカー「240Z(日本名:フェアレディ240 Z)」と共に、北米輸出市場におけるダットサン(日産)の躍進を実現した存在と言えます。
ここで紹介する「IDx」は、前出の「510」をベースにモダンな後輪駆動車にしたものであり、2013年に披露されたときには、「市販化の可能性もある」と言われておきながら、2015年に取りやめになってしまったわけです。
「後輪駆動車のプラットフォームを、少量生産のために新しく開発するのは費用がかかりすぎる」という判断だったのでしょう。
ヤマハ「OX99-11」

日本のバブル崩壊の被害者となったのが、この幻のクルマです。
タンデム2人乗りで、3.5リッターV12エンジンをミッドシップに搭載したこのスーパーカーは、この世に存在するにはあまりにもデキすぎたクルマだったようです。
ビュイック「アビスタ」

2016年にビュイックが披露した「アビスタ」は、エド・ウェルバーン氏がデザインした2ドアクーペ。
「カマロ」のアルファ・プラットフォームをベースに、最大出力400hpのV6ツインターボエンジンを搭載。過去のビュイックのコンセプトカーを思わせる美しいデザインでした。
市販化を望む声が多かったのですが、そもそもがファンを喜ばせるための試験的なコンセプトカーでしかなかったようです。