(3)ドルコスト平均法で投資することは、一度に投資するには市場の水準が高すぎると考えているのと同じです。つまり、市場のタイミングをうまく捉えたいという曖昧な世界に足を踏み入れているのです。それでは、結局、負けてしまいます。

(4)ドルコスト平均法で投資すると、資産配分が乱されます。最初のうちは、あなたの手元に投資されるのを待っている資金がたっぷりあります。それが望みどおりの資産配分ならかまいませんが、そうでないとすると、ドルコスト平均法で投資方針が大きく変わっていることを理解しなくてはなりません。

(5)ドルコスト平均法では、それを利用する期間を設定する必要があります。市場は長期的に見ると上昇傾向にあるので、1年を超える長い期間を選択すると、投資コストがどんどん上がるリスクを負うことになります。選んだ期間が短い場合は、そもそもドルコスト平均法を使う意味がありません。

(6)そして最後に、設定した期間が終了し、投資すべき資金を投入してしまうと、結局、その次の日に市場が下落するリスクを負うことになります。

 では、そうすればよいのでしょうか。

 資産を積み上げるステージにいる人は、毎月の収入の中からできるだけ多くを投資に回しているはずです。ある意味、毎月の投資は、やむをえずドルコスト平均法で投資しているようなもので、その後の変動をいくらかは平準化する役割を果たしてくれます。

 ドルコスト平均法との違いは、それを何年も、あるいは何十年も継続する点です。もちろん、その総額をいま一度に投資することは、選択したくてもできません。

 しかし、投資できる資金が手に入ったら、直ちに投資に回して、最大限の運用を実現しようとするでしょう。まとまった資金が入ったら、私も同じことをやります。

 あなたが資産を維持するステージにいる場合には、変動をなだらかにするために債券を含むポートフォリオになっているはずです。その資産配分に従って、まとまった資金を投入してください。その資産配分自体がリスクを低くしてくれます。

 怖くてこのアドバイスに従えない場合や、投資した途端に市場が下落するかもしれないと思うと、夜も眠れないという場合には、ドルコスト平均法を使うのがよいでしょう。何をやっても世界の終わりが来るわけではありませんから。

 ただし、それはご自分の投資の考え方を修正していることになるのですよ。