相手がいなくても一人でできる「立場スイッチ法」

「立場スイッチ法」は、私が小学校6年生のときに実際にやっていたものです。

 夏休みの宿題について、友達の多くが、「宿題が残っていると気持ちよく遊べない。コツコツやっていれば、『間に合わない』と慌てなくてすむ」と言っていたのですが、私は疑い深いタイプだったので、「本当にそうかな?」と、思ったのです。

「確かに、先にやり終えられたらいいけれど、終わるかどうかはわからない。だったら最後の3日でやると決めれば、それまで遊べる!」と頭のなかで考え、次は立場を変えて、「いや、やっぱり先にやったほうがいい」と今の自分の論を打ち崩す反論を考える、というのを一人でやっていました。

 このように、「立場スイッチ法」は、相手がいなくても一人でできます。

 まず、自分がどう思うかを決め、その反論を考え、さらにそれに反論する。これを1セットとしてやるといいでしょう。

 大事なのは、無理やりでも思いつかなくてもいいから反論することです。いわば、「こじつけ力」みたいなものです。

 また、水平思考ゲームも論理力を鍛えるのに有効です。

「ウミガメのスープ」で知っている人もいると思いますが、一人が問題を出して、回答者が次々に質問します。出題者はその質問に対し、「YES」「NO」「関係はありません」の3パターンでしか返答できません。そして、問題の真相にたどり着くゲームです。固定観念にとらわれていると、なかなか正解にたどり着けないので、頭が鍛えられるという意味でも効果的です。

 わざわざ、ディベート形式やゲーム形式にしなくても、日常生活に「立場スイッチ法」は簡単に取り入れられます。難しく考える必要はありません。

「今日は肉が食べたい」
「この本、買おうかどうしよう」

 日常でふと思ったとき、ちょっと迷ったときに、「なぜそう思ったんだろう」と考えたり、反論したりしてみてください。

 そのように自分の意見を考察し、深く考えるクセをつけるようにすれば、自然と論理力は鍛えられます。

論理力をたちまち上げる「立場スイッチ法」