自動運転車の実証試験を行うための区画も整備
武漢でさまざまな試験を実施

 昨年11月には5G(第5世代)通信を利用した無人の自動運転移動販売車が登場した。全周をカメラで監視していて、手招きするとクルマが近づき、飲み物と菓子のメニューを表示する。決済はQRコードのスキャンで行い、購入者に課金される仕組みを持った移動販売車だ。5G通信は運用が始まり、自動車分野でも5G利用の実証実験が始まっている。

 その中のひとつが中国初の自動運転による路線バス運行試験だ。営業免許は昨年11月に交付された。東風汽車製の電動バスに武漢の深蘭科技が自動運転システムをはじめ、乗客の安全を見守る車内監視モニター、完全手ぶらでの料金収受のための指静脈認証システムなどを装備する。北京、上海、広州など中国の大都市ではすでにディーゼルバスから電動バスへの切り替えが進んでいるが、バスは運行ルートが決まっているためコストの安いリン酸鉄を使ったリチウムイオン電池を搭載するのが一般的だ。武漢の自動運転バスもリン酸鉄電池を使用する。

 自動運転車の実証試験を行うための区画も整備されている。百度やアリババ集団などのIT(情報通信)系企業は武漢でさまざまな試験を実施している。

 東風汽車の武漢工場では中国の人民解放軍に納入する野戦用4WD車、勇士を量産している。中国国内の自動車工場へ部品を出荷する部品メーカーも数多く存在する。その意味では、武漢は“自動車の街”という一面も持っている。

 東風汽車の車両工場は、2月12日現在稼働を休止している。部品メーカーもほとんど動いていない。たとえ小さな部品でも、製造に必要な材料が届かなければ生産できない。いま、中国はCOVID-19の流行によってさまざまな工業製品の素材や部品が不足している。そのサプライチェーンの復旧には相当な時間がかかるだろうといわれている。

CAR and Driverロゴ

(報告/牧野茂雄 まとめ/CAR and DRIVER編集部)