65歳まで加入可能だが
条件がある

変更の中身をよく理解することが大切です。
新しいタイプのNISAほどではないにしても、iDeCoの改正案もかなり複雑。勘違いしないようにすることが必要だ Photo:PIXTA

 昨年12月の税制改正大綱で個人型確定拠出年金(愛称iDeCo)の利用方法が変わる方向が示された。具体的な内容としては(1)加入期間の延長、(2)受け取り開始年齢幅の拡大、(3)企業型確定拠出年金加入者の利用方法の変更――の3点である。もちろんまだ法律が改正されたわけではないから、正式に決まったということではないが、概ねこの方向で変わると考えていいだろう。

 一般的には「iDeCoの加入年齢が65歳まで引き上げられる」というトピックだけが話題になっているようだが、実はその理解は必ずしも正確ではない。新しいタイプのNISAほどではないにしてもiDeCoの改正案もかなり複雑であるため、勘違いしないようにすることが必要だ。今回はできるだけわかりやすく改正の方向と注意すべき点について解説したい。

 まず、(1)の「加入期間の延長」についてである。現在、iDeCoに加入できる期間は60歳までと定められている。この年齢が65歳まで引き上げられるという点は今回の改正の目玉と言ってもいいだろう。今後は国民年金被保険者であることを前提に、60歳以降も65歳まで加入することができるようになるからだ。例えば、年齢的には50代に入ってしまっているので「加入するにはもう遅い」と思っている人も、期間が延びることで加入するメリットが出てくる。ただ、誰でも65歳まで加入できるわけではないことに注意が必要だ。

 先ほど、「国民年金被保険者であることを前提に」と書いたが、これは一体どういうことを意味するのだろう。

 基本、20歳以上60歳未満の日本人はすべて国民年金に加入しているので、被保険者である。サラリーマンの場合は厚生年金という制度に加入しているが、厚生年金の中には、この国民年金の部分も含まれている。一般的には60歳を定年と定めている会社が多いため、それ以降、働かなければ厚生年金に加入することはない。

 ところが最近では60歳を過ぎても同じ会社で再雇用されて働く人も多い。これは働き方にもよるが、例えば60歳以降もそれまでと同様、週5日のフルタイムで働くのであれば、引き続き厚生年金に入ることになる。ということは、国民年金にも自動的に加入することになるため、iDeCoも60代の前半の5年間、積み立てが継続できることになる。最近では60歳以降でも働いている人が8割近くいるとのことなので、自分の資産形成の機会を延ばすことができるというのは、良いことだろう。

 ところが、国民年金に加入していない人はiDeCoに加入することができない。具体的に言えばフリーランスや自営業といった第1号被保険者、および専業主婦のような第3号被保険者は、60歳になると国民年金の被保険者ではなくなるため、原則60歳以降にiDeCoへ加入することができないのだ。ただし、60歳以降も任意で国民年金に加入することができる場合があるため、それを利用して国民年金に任意加入すれば、iDeCoも加入を続けることが可能だ。