インターネット第一世代として活躍した西村博之氏、通称「ひろゆき」。日本の匿名掲示板として圧倒的な存在感を誇った「2ちゃんねる」や動画サイト「ニコニコ動画」などを手掛けてきて、いまも英語圏最大の匿名掲示板「4chan」や新サービス「ペンギン村」の管理人を続ける。
そのロジカルな思考は、ときに「論破」「無双」と表現されて注目されてきたが、彼の人生観そのものをうかがう機会はそれほど多くなかった。
今回の新刊『1%の努力』(ひろゆき)では、その部分を掘り下げ、いかに彼が今の立ち位置を築き上げてきたのかを明らかに語った。

「努力はしてこなかったが、僕は食いっぱぐれているわけではない。
 つまり、『1%の努力』はしてきたわけだ」
「世の中、努力信仰で蔓延している。それを企業のトップが平気で口にする。
 ムダな努力は、不幸な人を増やしかねないので、あまりよくない。
 そんな思いから、この企画がはじまった」(本書内容より)

そう語るひろゆき氏。インターネットの恩恵を受け、ネットの世界にどっぷりと浸かってきた「ネット的な生き方」に迫る――

根拠のない願望は「ただの思い込み」

人には、「賢い判断ができなくなる瞬間」がある。
コロナウイルスの騒動から話をはじめよう。

現在、新型コロナウイルス騒動で、日本からの入国を拒否してる国や地域は17ヵ国ある(2020年3月2日時点)。

ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

オリンピックが近づいているが、日本からの旅行者を制限する国が、自国の英雄であるスポーツ選手を日本に送るかというとかなり微妙だ。
そして、国際オリンピック委員会(IOC)の委員の一人が、「東京オリンピックを1年延期するかもしれない」と言い出している。
5月末までに新型コロナウイルスの問題が解決していなければ、オリンピックはできない可能性があるのだ。

世の中を見渡すと、新型コロナウイルスに関して、「願望」を書いている人が多い。
「インフルエンザと同じように温かくなったら解決する」と書いている人は、現段階では嘘つきの可能性が高い

インフルエンザは湿度や気温が上がると不活性化するのだが、コロナウイルスが気温や湿度で不活性化するという現象は、まだ観察されていない。

新型コロナウイルスの発生源の武漢の気温は、2/24のときで最高気温が24℃。
2019年の東京のゴールデンウィークの天気では、4月22日、25日が24~25℃だ。
つまり、東京のゴールデンウィークの気温と武漢の現在の気温がたいして変わらないので、4月になってもコロナウイルスが元気に活動してる可能性が高い

そして、90人以上の感染者がいるシンガポールの気温は、最高気温が毎日30℃超え、湿度80%である。

こういった状況において、新型コロナウイルスを放っておいたら解決する可能性は低く、積極的に封じ込めなどをしなきゃいけないのだが、現段階では、日本政府は満員電車を放置してるので解決させる気がない

東京オリンピック開催もなかなか難しいんじゃないかなと僕は予想している。

包丁は何も悪くない

コロナ問題を見ていてもそうだが、「因果関係を間違える人」はなかなか多い。

・長財布を持てば金持ちになれる
・毎日カレーを食べればイチローになれる
・匿名掲示板をなくせば犯罪が減る

これらは、いずれも因果関係を理解できていない人が言いがちなことだ。
冷静に考えるためにはどうすればいいのだろうか。

1つの思考ツールがある。それが、「包丁は悪くない」という考え方だ

あなたの近くで包丁を使った殺傷事件が起きたとしよう。
そのとき、「包丁が悪い」「包丁をなくせ」と言う人はいない

車で事故が起きたときも、「車が悪い」「車をなくせ」と叫ぶ人はいない。
これらは、生活に浸透した「出過ぎた杭」だからだ。
中途半端に出た杭は、打たれる。
その好例が、こんにゃくゼリーだ。こんにゃくゼリーをノドに詰まらせて亡くなる方がいて、その結果、思考錯誤を余儀なくされた。
ただ、それよりも多いのは、モチをノドに詰まらせる人だ。しかし、モチは決して販売禁止になったりしない。

「包丁は何も悪くない」

これは、問題の本質を見誤らないための思考法だ。