WTI原油先物、30ドル割れ
株価急落、ドル安の引き金に
新型コロナウイルスの米国本土での感染拡大などで、不安定な動きを続けてきた米国株式市場のダウ工業株平均株価は9日、2000ドルを超える下げ幅になり、サーキットブレーカー(相場急変時に一時的に取引が停止される)が発動されるに至った。
10日のNY株式市場は追加減税への期待で買い戻しの動きで始まったが、2013ドル安をすべて取り戻す勢いではない。
9日の混乱は株価にとどまらず、米ドルは急落、債券市場では安全資産である米国債に資金が流入、長期金利(米10年物国債の利回り)は0.5%を下回る史上最低水準になった。
先行き不安感が一気に強まった米経済だが、とりわけ影を落とすのが、原油価格の暴落だ。
国際指標の米国産WTI原油の先物価格は、新型コロナウイルス問題による世界の需要鈍化への懸念から、2月末には、1バレル50ドル前後まで徐々に下がっていたが、先週金曜以降、同30ドルを割る大幅な下落になった。