予防法は肌に花粉が触れないように
帰宅したら洗顔で花粉を落とすこと

 現状、花粉皮膚炎の治療には主にステロイド外用薬が用いられるが、花粉症の治療薬のような内服薬はないという。

「しかし、花粉症そのものの症状を抑えることは、花粉皮膚炎を進行しづらい状態にできるともいえます。花粉症の治療薬に使われる抗ヒスタミン剤などでかゆみを抑えることは、花粉皮膚炎に対しても有効的な治療策といえます」

 花粉症の症状の延長、と考えられるので、花粉症と同様の治療が有効というわけだ。

「花粉皮膚炎は特に肌が露出した顔や首に症状が出やすいので、帰宅したらすぐに顔を洗い、花粉を落とすといいでしょう。外出先で顔のかゆみを感じる人も、お手洗いでパッと顔を洗うだけでも、かゆみが抑えられるかもしれません」

 洗顔時は冷水か常温の水が最適だ。あまりにも温度の高い湯は、血行を良くし、逆にかゆみが増してしまう恐れも。さらに、冷水で冷やすことでかゆみを軽減する効果も期待できる。

「どうしても患部がかゆくてたまらないときも、保冷剤などで冷やすと良いですよ。爪を立ててかくことは絶対にNG。せめてたたく程度にとどめてください」

 さらに、洗顔時には、「落とす」ことに必死になりすぎないことも重要だ。「しっかり落とさないと!」と思う人もいるだろうが、花粉は水でやさしく洗うだけでも大半が落ちるので、ごしごしこすったり、メイクを落とすときに使うようなアイテムで洗浄したりする必要はない。

「より重要なことは、いつも使っている化粧水やクリームで構わないので、洗顔後にしっかりと保湿をすることです。保湿を徹底することで肌のバリア機能が高まり、荒れにくくなります。男性だと毎朝ヒゲをそる人が多いと思いますが、ヒゲそり後も忘れずに保湿をしてください」

 また、花粉症と同じ対策が有効とはいえ、逆効果になりかねない予防法もあるという。

「マスクやゴーグル、花粉カットメガネは、花粉症対策の定番アイテム。今年は新型コロナウイルスの影響もありマスクが非常に手に入りにくいかもしれませんが、花粉皮膚炎対策も、花粉が肌につかなければアレルギー反応は出ませんので、保護する意味では効果的です。ただし、すでに荒れ始めている場合は、マスクやメガネが肌にこすれて、より悪化してしまう場合もあるので、合わないと思ったら使用を中止してください」

 いずれにしても、日常的にできることは、しっかりと肌から花粉を落とし、保湿してバリア機能を高めること。そして、少しでも違和感を持ったらすぐに皮膚科を受診するのが、花粉皮膚炎に対して、最も賢明な処置といえそうだ。