ジム休業・顧客減少で売り上げゼロも!?
パーソナルトレーナーが苦境に

 顧客に対してマンツーマンでトレーニング指導やカウンセリングを行う、パーソナルトレーニング。数年前の「RIZAP(ライザップ)」ブームの影響もあり、アスリートや芸能人だけでなく、一般顧客においてもダイエットや体形維持などを目的とした利用が広がった。大手から個人経営のジム、出張形式まで、多くのプログラムが提供されている。

 都内のジムでパーソナルトレーナーとして個人を指導する丸山さん(仮名)は、自身の働くジムは休業にはなっていないものの、子どもがいる顧客を中心に何件か予約キャンセルも出ており、「平時と比べて売り上げが2~3割減少している」と話す。契約しているジムが休業となり、売り上げが半減したトレーナーもいるという。こうした売り上げの減少は、パーソナルトレーナーにとって死活問題に直結する。なぜか。

 その理由は、パーソナルトレーナーの働き方にある。一部のパーソナルトレーニング専門ジムなどを除いて、トレーナーがジム専属の社員として働くケースはまれだという。また、トレーナー自らジムを経営して成功できる人も一握り。その多くが、個人事業主としてフィットネスクラブやトレーニングジムと業務委託契約を結び、パーソナルトレーナーとしての生計を立てている。

 契約形態はジムによって異なるが、売り上げの何割かをジムに支払うのが一般的だ。たとえば、売り上げの3割を支払う契約を結んでいた場合、顧客が1万円のプログラムを申し込むと、3000円がジムに引かれ、7000円がトレーナーの売り上げになる。そのほか、契約によってはジムからインセンティブが支払われたり、店舗の物販への貢献度合いが評価されたりするケースもある。

 大手ジムと契約すれば、集客力というメリットを享受することができる。しかし、ひとたび今回のような事態に陥ってしまえば、顧客獲得の手段が閉ざされる。顧客はジムの受付を通してプログラムに申し込んでいるため、個人的に連絡をとって別の場所で指導することは、契約違反となる可能性が高い。つまり、ジムが休業すれば、ジムを通して成り立っていた売り上げが必然的にゼロになる。

 ジムやスポーツクラブには、パーソナルトレーナーだけでなく、クラスを受け持ち指導するインストラクターなど、業務委託で働いている人が少なくない。政府は緊急小口資金の貸し付け上限を20万円とするなど、売り上げが減少した個人事業主に対する支援を拡充するが、返済義務があり所得を補償するものではない。

「子どもがいる家庭に出る日額4100円の助成金すら、独身の自分たちにはない」(丸山さん)