トップの外資系コンサルと
20位にも入らないメガバンクの違い

 東大出身者が入社後に働きがいを感じている企業を調査した今回のランキングでは、トップ3のすべてが外資系コンサルティングファームという結果になりました。

 その一方で、東大生の一般企業の就職先1位である三井住友銀行や3位三菱UFJ銀行などの銀行は、20位にも入っていません(参考:東京大学新聞社「18年度就職状況」)。

 では、人気のあるコンサルティング業界と銀行には、働きがいの面でどのような差があるのでしょうか。上位3社とこの2行で働く人のクチコミから、その理由を探ってみましょう。(下記は、東大出身者以外のクチコミも含む)

●外資系コンサルティングファームの社員クチコミ

「個人に求められる仕事の水準は非常に高く厳しい環境だが、プロフェッショナルとして大きく成長することは間違い無い。それぞれがプロフェッショナルとして尊重され、ポリティクスや足の引っ張り合い、妬み、といった非生産的な問題はほとんど目にすることがなかった」(コンサルタント、男性、マッキンゼー・アンド・カンパニー)

「パートナーとの距離も近く比較的フラットだが、それぞれに期待される役割や責任は大きく、前職の商社の3倍のスピードで成長を実感。入社年次に関わらずお互いをプロフェッショナルとして尊重し合い、またチームワークを重視し、お互い積極的に助け合う良い風土がある。運動会をやったり、社内コミュニティが作られていたり、人との関係性を大切にするウェットなカルチャーがある」(コンサルタント、男性、ボストン・コンサルティング・グループ)

「若手をどんどん活躍させる文化があり、実力次第ではかなりジュニアなころからプロジェクトの基幹を任されることがある。上下関係がなく、フラットで風通しのいい文化。先輩や上司との変な上下関係は一切ないため、人間関係のわずらわしさは全くない」(コンサルタント、女性、A.T.カーニー)

●銀行員のクチコミ

「良くも悪くも年功序列の文化が未だに残っており、面倒な文化は数多く存在する。確かに会社として古い企業体質を変えようとする動きはあり、例えばその一つにドレスコードフリー(外部の人と普段接しない本社社員対象に私服での勤務を許可する制度)を始めたことは評価できる。しかし管理職には昔の企業文化の中で過ごしてきた層しかいないので、面倒な文化が変わるにはまだ相応に時間がかかるものと考えられる」(総合職、男性、三井住友銀行)

「何かと上司に対して報告が求められる。上司は更に上に事前説明または報告をする必要があるため、部下は資料の作り込みと想定し得る質問への回答準備、必要に応じて会議前の根回し等に奔走する。総じて、社内のためにかける時間が長い」(法人営業、女性、三菱UFJ銀行)

 こうしたクチコミからわかるように、外資系コンサルティングファームでは若いうちから活躍する機会が与えられ、プロフェッショナルとして尊重してもらえる文化が垣間見られます。一方の大手メガバンクでは、外資系コンサルとは対照的に、年功序列の縦割り組織である点、社内調整に多くの時間を割かなければならない巨大組織ならではの課題が浮き彫りになっています。

 せっかく優れた能力を持っている東大出身者であっても、古い組織体制によって実力が発揮できない状況では、働きがいを感じるのは難しいのではないでしょうか。

(本記事はOpenWork[オープンワーク]からの提供データを基に制作しています)

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