新型コロナに関する
休暇や給料の扱い

 夕方、D社労士が甲社に来ると、B総務課長はあいさつもそこそこに、早速本題に入った。

「A君はわが社で言う『傷病休暇』の取得要件には該当せず、3日間の有休を消化後は欠勤扱いという形でいいんですよね?」

 B総務課長の問いかけに対して、D社労士は大きくうなずいた。

「はい。特別休暇の取得理由には病気・ケガの他に慶弔等いくつか項目がありますが、そのどこにも当てはまっていなければ欠勤扱いになります」
「わかりました。ところでコロナに関する諸事情により、社員が会社を休んだ場合の休暇や給料の扱いはどうなりますか?参考までに聞いておきたいのですが」

 B総務部長の質問に対して、D社労士はいくつかの例を取って説明した。それをまとめたものが下記である。

<コロナと休み・給料の扱いについて>
(1)従業員が、国や自治体等公共の要請に応じて会社を休んだ場合
 新型コロナウイルスへの感染が確認されない限りは「ノーワーク・ノーペイ」の原則により欠勤扱いとなる。また労働基準法でいう「使用者の責に帰すべき事由」に当たらない(会社側が「会社に来なくていい」と言ったわけではない)ので、会社は休業手当の支払い義務はない。

(2)従業員から「風邪の症状があるが出勤する」と申し出があったが、会社が他の従業員への感染を懸念して出勤停止にした場合
 新型コロナウイルスへの感染が確認されない限り、会社都合の出勤停止と判断されるため休業手当を支払う必要がある。

(3)従業員が新型コロナウイルスにかかった場合
 新型コロナウイルスは指定感染症に指定されているので、従業員が感染した場合は強制入院・隔離措置の対象となり出勤停止になる。処遇については
○本人の申し出により有休を消化する。
○会社の制度がある場合は特別休暇取得や休職扱いとする。 
○いずれも不可の場合は欠勤扱いとなる。
 有休を除き休んだときの給料については、会社に休業手当の支払い義務はない。該当する特別休暇もしくは休職期間が無給扱いや欠勤扱いとなり休んだ日の給料が支給されない場合、要件を満たせば傷病手当金を申請することが可能。

(4)従業員の同居している家族等が新型コロナウイルスにかかった場合
 従業員の家族が新型コロナウイルスに罹患、または感染の疑いがある場合、その家族と濃厚接触した従業員は、新型コロナウイルス感染の症状がなくても感染の疑いがある。その場合会社は感染拡大の防止のため、就業規則や自主的な判断により相応の期間、該当従業員に対して出勤停止とすることは可能。ただし休みの扱いについては、(2)の場合と同じく休業手当を支払う必要がある。