ストレスの元凶は
「モチベーションファクター」の乖離

 私はモチベーションファクターを以下の2つの志向、6つの要素(ファクター)に捉えている。日本のビジネスパーソンは、牽引志向の高い人、調和志向の高い人とが大体半々。6つのファクターもおおよそ均等に分布する。逆に言えば、そうなるようにファクターを6つに区分している。

ストレス耐性がない人ほど「改善に向いている」理由

 実は、人に対するストレスも、仕事に対するストレスも、突き詰めれば原因は同じ。その相手や仕事のモチベーションファクターが、自分のモチベーションファクターと大きく乖離(かいり)している場合がほとんどなのだ。

 例えば、自分は、自律裁量型で、他の人からあれこれ言われることを好まず、自分でさまざまな工夫をして、独創的な取り組みをすることで意欲が向上する人だったとする。しかし、相手は、リスクを回避してあげようという親切心から、きめ細かくチェックしたり、助言をしたがる安定保障型の人だとする。

 手がける仕事は、エラーをコツコツと発見して、ひとつひとつ解消する安定保障の仕事だとする。これでは、マイクロマネジメントしてくる相手にもストレスを感じるし、仕事にストレスを感じて自分に向かないと思ってしまうだろう。人にせよ、仕事にせよ、モチベーションファクターの不一致こそがストレスの源泉で、生産性を損なう元凶なのだ。

 しかし、仕事をする相手や、そもそも仕事そのものは、そう簡単に変えることができるわけではない。だからといって、我慢するだけが能ではない。人や仕事のモチベーションファクターと自分のモチベーションファクターの乖離に気づいたら、それをつなぐ動機付けを、自分でしてみればよい。