中小企業は
コロナ対策をどうすべきか

 この厄介な新型コロナウイルスだが、今までの全世界の状況を見てきてもわかるように一気に集団で感染することが多い。

 感染症全般において、感染ルートと呼ばれるものには、「空気感染」「飛沫感染」、そして「接触感染」がある。

 コロナウイルスやインフルエンザウイルスは「空気感染をしない」と医学の教科書には書いてあるかもしれないが、現実の生活の中では空気感染と飛沫感染を厳密に分けて防御するのは難しい。

 賛否両論あるかもしれないが、筆者としては、この際「空気感染もあり得る」と考えるくらいの、慎重な予防対策を考えた方が現実的であろうと思っている。

 さて、50人以上の従業員を抱えている会社では法律上、産業医を置くことが義務付けられている。産業医の職務の一つに「職場の環境を維持することや従業員の安全を確保するということ」が含まれる。

 また企業にも月に1度の衛生委員会の開催が義務付けられ、その中での議論も労働環境とか労働時間といったことと同時に、従業員がかかりやすい疾病の話が話題にのぼることもしばしばある。

 具体的にいえば、春であれば花粉症、夏であれば熱中症や食中毒、冬であればインフルエンザウイルスやノロウイルス、といったことが話題になる。

 しかしながら、常勤で産業医を置いている大企業ならともかく、中小企業では企業のトップや人事部長・総務部長といった役員クラスの人が直接産業医と話す機会は少ないであろう(逆に、従業員が50人から100 といった規模の企業であれば、人事や総務にも部下がそんなにいないので、衛生委員会に人事部長や総務部長が出てくることはある)。

 また、会社がある程度の規模になると、職場の安全確保のための法律は守らなければいけないが、「義務づけられていること以上のことは、あまりやらない」といった姿勢であることが多い。

 そういった中での、今回の新型コロナウイルス禍である。

 実際に、新型コロナウイルスの予防対策はどのようにしたらいいのか。もし、新型コロナウイルス感染が疑われる人が職場で発生したり、実際に感染者が出た場合には、どのようにしたらいいのであろうか。