日本人同士による
支援活動も拡大

 こうした厳しい感染防止対策のみならず、入国者自らが協力しあう動きも高まっている。

 趙さんが住む団地は、住民の約4割が外国人。清水泰雅さんもその一人だ。清水さんは日系企業の董事長として、上海で15年間滞在し、最近、中国政府から「外国人永久居留身分証」の発行を受けたばかり。

 清水さんが日本から上海に戻ってきたのは3月初旬で、2週間の隔離措置が必要だった。日常生活が不便になるのではないかと心配し、日本をたつ際に1ケースの食品を持参し、2週間自宅に籠もる準備を整えていた。だが、実際に隔離生活が始まると、「居住者委員会がスーパーによる配達サービスやごみ捨ての手伝いなどの面倒を見てくれ、生活には全く問題が無かった」という。

 居住者委員会は頻繁に「微信グループ」内で各種のお知らせを伝え、住民との連絡を図っている。

 団地内には日本企業から中国の子会社に派遣されてきたサラリーマンも数多く、中国の事情に精通していなかったり、中国語が十分にできない人も少なくない。そこで、中国語が達者な清水さん自身がボランティアで、居住者委員会が発信する「微信グループ」内の重要なメッセージを日本語に翻訳し、日本人に配信した。また、よく見られる問題や生活上の留意点などを整理した「自宅隔離ガイダンス」を日本語による注釈を加え、住民たちに配布している。

 また、清水さんの呼びかけにより、指定のスーパーにネット注文すること(それ以外のスーパーは団地の入り口までしか商品を運ばないため、団地職員が各自宅まで運ぶ手間が生じてしまう)などのルールを厳守するようになった。

 国の感染防止対策だけではなく、こうした草の根の取り組みが、あちこちで広がりつつある。

※『東方新報』は、1995年に日本で創刊された日本語と中国語の新聞です。