もしイシューの特定が見当はずれだったとしたら、どんなに精緻に論理を組み立てても意味がありません。

 そのため、イシューを特定する際は、物事の「因果関係」を見極めることが大切です。

因果関係と相関関係は
似て非なるもの

 因果関係とは、「原因」と、その原因がもたらす「結果」のことで、Aという原因があったから、Bという結果になったと見なせる関係を指します。

 因果関係とよく一緒に使われる言葉として「相関関係」があります。この2つは似ていますが、意味合いは違います。混同しないように注意しましょう。

 2つの違いを表すと、次のようになります。

因果関係→結果に対して直接の要因となっている関係

相関関係→結果に対して関連性があり、要因となっている可能性もあるが、直接の原因とは断定できない関係

 たとえばAという現象とBという現象に、「Aの数値が上昇したらBの数値も上昇する」というような何らかの相関関係があったとしても、単純に「Aの数値の上昇が原因となってBの数値が上昇している」とはいえません。

 相関関係があるからといって、因果関係があるとは限らないのです。

 たとえば、「雨の日に電車が遅れやすい」という現象があったとします。「雨の日」と「電車が遅れやすい」は因果関係なのか、相関関係なのか、あるいはまったく関係がないのか、考えられる要素を書き出してみます。

 次の1~4について考えてみましょう。

(1)雨の日は電車がスピードを出せない
(2)雨の日は乗客が増え、いつもより乗り降りに時間がかかる
(3)雨の日は傘などの荷物が増えて、乗り降りがしにくくなる
(4)雨の日は駅構内やホームを走れないので、電車に乗り遅れる人が多い