「なぜ」を繰り返すことで
真の原因にたどり着く
では次に、(2)の「雨の日は乗客が増え、いつもより乗り降りに時間がかかる」という要素を見てみましょう。
雨の日は乗客が増え、いつもより乗り降りに時間がかかる
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「Why So?」(それは、なぜ?)
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普段は徒歩や自転車で通勤・通学している乗客が、電車を利用する。
遅れを見越した乗客が、普段より早く乗車しようとする
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「So What?」(だから、何?)
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雨の日は乗客が?増えるうえに、傘などの荷物が増えて乗り降りに時間がかかる
↓
「So What?」(だから、何?)
↓
乗客の乗り降りに時間がかかることで停車時間が長くなり、電車の遅れが発生する
この場合、矢印でつないでいった要素が、どれも互いに相関し合っており、さらに「雨の日は電車が遅れやすい」という現象の直接の「原因と結果」につながっています。
このように、「So What?」(だから、何?)「Why So?」(それは、なぜ?)という因果関係を意識することで、格段に思考がシャープになり、問題解決のスピードもアップするわけです。
仮にマッキンゼーの出身者に、「マッキンゼーのフレームワークでもっともよく覚えているものは?」と聞けば、おそらく100人中100人が「So What?」(だから、何?)を挙げると思います。
実際、マッキンゼーに入社した瞬間から、すべてのメンバーが「So What?」(だから、何?)を徹底的に叩き込まれます。
それこそ、寝ても覚めても「So What?」(だから、何?)で、クライアント(顧客)に対してはもちろん、社内でも「So What?」(だから、何?)を常に意識したアウトプットや報告、プレゼンテーションが求められます。
しかし、これは何もマッキンゼーだけではありません。
たとえば、自動車の国内トップメーカーのトヨタ自動車にも、「なぜなぜ分析」と呼ばれる、「なぜ」を5回繰り返す手法が根付いています。
「なぜ」「なぜ」と繰り返し問うていくことで、問題の本質をあぶり出し、真の原因を明らかにすることができるからです。