国内債券型って、どんなものなの?

一般NISA、<br />つみたてNISA、<br />確定拠出年金で「外国債券」を活用する安東隆司(あんどう・りゅうじ)
RIA JAPAN おカネ学株式会社 代表取締役 CFP、日経CNBCなどTVコメンテーター、海外ETF専門家、立教セカンドステージ大学講師 
三菱UFJ銀行で17年、三菱UFJメリルリンチPB証券(出向)、ソシエテ・ジェネラル信託銀行勤務という、メガバンク、外資系証券・信託銀行で約26年の勤務を経験。その後半はプライベートバンカーを務め金融商品の運用について熟知。販売手数料(コミッション)を目的にしない、世界的潮流である「預かり資産管理」(フィーベース)のビジネス(RIA)を行う、独立系・投資助言業(内閣総理大臣登録)を2015年立ち上げる。著書に『個人型確定拠出年金iDeCoプロの運用教えてあげる!』(秀和システム)など。WEBサイトhttps://ria-japan.co.jp/

 リターンとコストにご用心、条件によっては「損する」場合も

 国内債券はここでは1種類です。

 国内債券(4ー1):日本の国債や社債に投資

 国内債券のカテゴリーは注意が必要です。この部分への資産配分を、全く行わないという選択肢もアリだと思います。

 「国内債券には投資をしないってこと? 資産運用の教科書の理論とずいぶん違うな」という印象を、お持ちの方もいらっしゃるかもしれません。どういうことか説明しましょう。

 「コストに見合わないリターンの投資をしない」ということが国内債券に投資しない選択をする理由です。

 具体的な事例で考えてみましょう。

 仮定として以下の条件で日本債券に投資するとします。リターンを0.30%、コストである信託報酬が1.78%だとすると、債券に投資した運用成果は、

 リターン0.30%ー信託報酬1.78%=マイナス1.48%、となります。

 せっかく投資をするのに、コストによっては「損する」形になってしまうのです。常にこのような条件とは限らないものの、低金利の時期には注意が必要です。

 そもそも債券のリターンの水準が低い場合は、メリットが少ないのです。信託報酬が高い場合に起こる「コストに見合わないリターンの投資」になるものは避けるべきです。

 国内債券に投資している理由は、例えば分散投資の観点からは国内債券を盛り込むべきだとの理由、リスクが低いからという理由、「なんとなく」債券が安心だといった理由ですが、投資資金を安易に国内債券に配分すべきではないと思います。

 運用お任せのラップ型商品などには、国内債券が当然のように盛り込まれているケースが多いでしょう。どの商品に投資すべきかを検討する質問で「リスクを避けたい」「為替リスクは嫌だ」というようにアナタが回答すると(リスク許容度といいます)、国内債券の割合が多く含まれた商品が割り振られてしまうのです。

 繰り返しになりますが、このカテゴリーを選ぶ際には、リターンとコストに注意した上で判断をしてください(個人的には配分不要と考えます)。

 すでに述べた通り、つみたてNISAのインデックス型には、「債券」単独のカテゴリーがありません。つみたてNISAで債券の入ったものに投資をする場合は、バランス型投資信託を通じた投資となります。