「新型コロナの影響を受け始めた3月初めから4月2週目までの新規企業登録数は、昨年比で209%と大きく増加。現在、6310社が登録している」
こう語るのは、オファー型就活サイトOfferBox(オファーボックス)を展開するi-plugの広報・高根千聖氏だ。企業のみならず、学生の登録数も緊急事態宣言後に増加しており、「3月下旬は1日の登録数は400~500人程度だったが、緊急事態宣言後は700人前後の登録がある」(高根氏)という。
企業の新規登録数が増加している状況について、高根氏はこのように語る。
「これまでは、ビジネスがBtoB主体のために知名度の低い地方の企業や中小企業の利用が中心だった。しかしこの1、2カ月は、これまで学生との接点を合同説明会1本に絞っていたが、その接点を失ってしまい、OfferBoxを利用してなんとか接点を持とうとしている企業の新規登録が増えているようだ」
自社の優秀な社員と
近い特性の学生を探してオファー
逆求人サービスでは、まず学生が「大学」「理系・文系などの学問系統」「志望企業タイプ(大手・中小)、自分を象徴する写真、自己PRなどを登録する。さらに、OfferBoxでは任意で251問の適性検査を受けることで、学生自身が自分の特性なども知ることができる。
一方の企業は、自社がほしい人材像にあてはまる「学問系統」「希望職種」などにチェックを入れて学生検索する。OfferBoxでは、企業側が適性検査を自社の社員にも受験させて、自社のハイパフォーマー社員の結果に近い特性を持つ学生に対して、オファーを出すこともできるという。
オファーを出してすぐに面接、というわけではない。当然ながらナビサイトと異なり、自社を知らない学生へアプローチするため、自社の説明を行うために個別面談を行い、そこから面接につなげていくのが一般的な流れになる。
候補者の母集団形成に使えるだけでなく、グループディスカッションや集団面接によって、一度に多くの学生を選考することが難しくなった今、これらの代わりにターゲットを絞り込み、ピンポイントで採用したい学生と接点を持てる点も、「スカウト型」採用のメリットといえるだろう。