人材紹介業などを行うネオキャリアでは、新型コロナの影響が出始めてから、ダイレクトリクルーティング経由での採用割合を20%から30%に引き上げた。

「ダイレクトリクルーティング経由でのオファーの承認率は、新型コロナの問題が発生してから、それ以前の倍くらいにアップしている」(ネオキャリア 新卒採用責任者・柳直輝氏)と手ごたえを感じており、学生が自宅で過ごす時間が増え、スマートフォンでオファーをチェックする機会が増えていることも影響しているようだ。

「#WEB説明会」「#21新卒」など
ハッシュタグで発信する企業も

 こうした採用手法に注目が集まる一方、会社によっては採用の方針などから導入が難しいケースもあるだろう。そんな中でも、なんとか自社を受験してもらうために、活用する企業が増えているのがSNSだ。

 最近の就活生の情報収集は、ナビサイトよりも、ツイッターやインスタグラムが中心で、これらで情報を探す際に当たり前のように使われるのが「#(ハッシュタグ)」だろう。

 例えば、企業がツイッターに会社説明会などの採用情報を投稿する際、同時に「#21新卒」「#就活」とつける。すると、「#就活」や「#21新卒」で検索する学生の目に留まりやすくなる。また、WEB説明会を行っている企業も「#WEB説明会」とハッシュタグをつけて投稿すれば、自宅でWEB説明会に参加したい学生が検索で見つけてくれる可能性が高まる。

 ナビサイトや大学などの合同説明会をあてにしていたのは、企業の採用担当者だけではない。就活の早期化が進んでいるとはいえ、まだまだ3月の就活解禁以降に動き出そうとしていた学生は多かった。こうした学生が今、「就職できなかったらどうしよう」とSNS上で探す際に、いかに目に留めてもらえるか。これからは、採用担当者のSNS活用の手腕も問われることになるだろう。

 近年、企業と学生のナビサイト離れが進んでいたのも事実だが、新型コロナ収束後の採用手法はより学生とダイレクトにつながるものになっていきそうだ。