遅れて始まった日本の外出制限、景気・株価にとっての吉凶を占う欧米と比べて外出制限が遅れてしまった日本。景気や株価にどう影響するのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

リスクオフの流れが強まる中
株価は底打ちし持ち直しへ

 新型コロナウイルスの蔓延と、ウイルス感染の拡大を抑制するための外出制限措置(いわゆるロックダウン)などで、世界経済は大不況以降では最悪となる景気後退局面に陥った。最初の感染拡大地である中国から他国に感染が拡がり始めた2月から、市場ではリスクオフの流れが強まった。しかし、代表的なリスク資産である株価は、3月下旬には底を打ち、4月以降は多少なりとも持ち直し、下値不安は薄らいでいる。

 株価持ち直しの背景には、(1)米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめとする各国中央銀行が積極的な金融緩和を実施したほか、ドルの供給によって資金調達不安に伴う信用市場の崩壊を早期に防ぐことに成功したこと、(2)多くの国で財政出動による景気対策を打ち出したことが挙げられる。

 もちろん、(3)感染拡大を防止するためのロックダウン措置を早期に講じた国から感染の拡大に歯止めがかかり始めたことで、感染の早期沈静化と速やかな経済活動の回復期待が高まったことが、市場の安心感に繋がった側面が大きい。

 NYダウで見ると、3月23日には2月12日につけた高値から▲38.4%となる18213.65ドルまで急落したが、そこから盛り返し、4月17日には3月の安値から+33.2%高い24264.21ドルまで上昇している。