マスクも医療機器も輸入依存、“コロナ戦争”で露呈した「医療安全保障」の弱さコロナウイルスのスクリーニング検査を行うため、準備を進めるスタッフ Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

戦時体制で対応する各国政府
医療安全保障の意識も体制も弱い日本

 新型コロナウイルスの猛威は約180カ国に広がり、感染者数は300万人を超え、死者は21万人に達した(28日午前現在)。

 英独仏米の首脳はウイルスとの戦いを「戦争」と位置づけ、「第2次大戦後、最大の挑戦」「戦時下の大統領」などと発言している。

 60カ国以上の国で緊急事態宣言や非常事態が出され、国境を封鎖したり、外国人の入国を制限したりしている。東西冷戦時代を上回る状態だ。

 各国では、都市封鎖(ロックダウン)を行い、外出制限、店舗・レストラン・企業の閉鎖、集会禁止を行っている。病院が急造され、軍などが病院船や遺体収容車を派遣している。

 日本でも4月17日に緊急事態宣言が全国に拡大され、第2次大戦後初めて外出自粛や学校や商店の閉鎖が法律に基づき要請された。

「ウイルス対人類の第3次世界大戦」
グローバル化で感染速度、早まる

 感染症は、古代のメソポタミア、エジプト、中国で既に発生しており、人類の歴史とともにある。

 14世紀にヨーロッパで猛威を振るった「黒死病」では、世界で8500万人が死亡したと推定されている。コレラはこれまで7回も世界的に流行している。