ヒュッゲは、もともとデンマーク語で、「心地いい時間や空間」を意味する。幸福度が世界トップクラスの北欧のライフスタイルのキーワードとして、欧米で流行語となった。日本でもヒュッゲの指南本が多数出版された。

 しかし、今後は、フィンランドの国民性を表す「シス(SISU)」が世界的なトレンドとして注目が高まっていくという。シスは、フィンランド語で困難に耐えうる力、努力してあきらめずにやり遂げる力、不屈の精神といった意味合いを持つ。

 記事が掲載された頃、EU離脱など、イギリスは難しい局面を迎えていた。そこで、シスが彼らにとって必要な精神性として捉えられたようだ。また、BBCやCNNなどイギリスの他メディアでもシスについて取り上げられた。フィンランドが国連の幸福度ランキング1位を獲得したときには、その幸福の秘密は何かということで、シスへの注目が増したという。

◇シスに込められたものとは?

 フィンランド人に「シスとは何か?」と尋ねてよく返ってくる答えは、「シスは灰色の岩さえ突き破る」というたとえだ。仕事や人生において、困難があってもすぐにはあきらめないという強い気持ちを示している。

 シスは、日本の「頑張る」と比較すると、圧倒的に使用頻度が低い。フィンランドでは「言葉にするよりも行動で示す」ことが好まれているためか、シスは内に秘められている気持ちというニュアンスだ。

 また、シスに関する感覚は、フィンランド人の中でも多少バラつきがある。仕事で困難な状況を切り抜けたときなど、身近にシスを見出す人もいる。

 一方で、シスという言葉を簡単には使いたくないという人たちもいる。シスの例として、フィンランドの厳しい気候の暮らしが紹介される。だが、これはシスではないと否定する人たちもいる。「シスの前提として、不可能に思える困難や課題があり、それを可能にするのがシスなのだから、そんな容易なことでは使っちゃいけない」という考えがあるためだ。

 ただ1つ共通しているのは、シスは誰かに強制されるのではないということである。「自分がしたいからする」という強い決意や気持ちが、シスの本質といえる。