解決に向かっていると思われていた諸問題についての再検討が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)によって始まっている。そのうち1つは、現実的なコスト面の評価から中国を重要物資のサプライチェーンのハブにしたのが賢い選択だったかどうかだ。また、中国を世界経済の中に取り込むことが、同国の姿勢の穏健化につながるとの考え方も再考の対象だ。残念ながら中国は穏健化しなかった。中国政府は、貿易相手国に圧力をかける信頼できないサプライヤーの姿を示した。米供給管理協会(ISM)の春季調査では、米国企業の約4分の3が、中国国内のサプライチェーンが途絶したと回答した。日本とオーストラリアの経済は、中国が実施した湖北省のロックダウン(都市封鎖)などの供給制限措置で深刻な打撃を受けた。中国国営の新華社通信は、パンデミック渦中で中国の行動責任を問おうとする米国に対し、報復手段として医療分野のサプライチェーンの支配力を利用する構えを見せた。
【寄稿】米国と同盟国は対中国依存の再考を
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