私はこんなにがんばっているのに、
上司は全然認めてくれない

 上司からの細かいチェックに、3年目女子はショックを受けました。
  自分は連日残業をして、こんなに一生懸命仕事をしているのに、上司は自分のことを信用してくれていない。そもそも、「やっといて」と私に仕事を押しつけたのはそっちなのに。きっと私のことを嫌いだから、いじわるなことを言ってきているのだ。後輩女子は可愛がって、私にはこんな仕打ちなんて、ひどすぎる……。

 入社3年目女子からすると、「がんばっている自分」を認めてくれない、自分の存在そのものが迷惑なのだと全否定された気分。業務が滞ってしまい、それが原因で自分が周囲に心配をかけていることなど、まったく気づいていない様子です。

 この入社3年目女子に足りなかったのは、仕事目線に加えて仕事を客観視する力です。やる気があるのは素晴らしいのですが、自分1人では仕事をさばききれず、焦って気合が空回りしてしまったところに、上司から痛いところを突かれて、被害妄想に陥ってしまいました。このように仕事を主観的にしか捉えられないのは、次の3つの意識が強く働いているためだと考えられます。

・自分ですべてやらなければという勘違い
・1人立ちしたことに対する自意識過剰
・信用されていないという被害妄想

  彼女をこうした主観的意識から解放し、客観的に仕事を捉える習慣を身につけてもらわなければなりません。

二段構えのコミュニケーションで
「被害妄想」という呪縛を解く

「仕事を抱え込まずに、こまめに進捗を報告せよ」と結論だけ伝えても、がんばりが空回りしてしまい、「こんなにがんばっているのに認めてくれない」と被害妄想に陥ってしまった女性はそれを冷静に受け入れることができません。そんな彼女に気づきを与えるためには二段構えのコミュニケーションが必要です。