物議を醸すアイデアが検討されている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすウイルスを意図的に人に感染させ、ワクチン候補の効果を試す手法だ。こうした「ヒューマンチャレンジ」治験は、普通のワクチン治験方法ではない。通常、研究者は数千人を対象に、一部にはワクチンを、残りの人々にはプラセボ(偽薬)を投与し、普段の生活で誰が感染するかを観察する。この方が時間はかかるが、ワクチン投与された人を意図的に感染させるよりリスクは小さい。だが一部の科学者は現在、ワクチン開発を加速できるのであればヒューマンチャレンジを行う価値があると主張している。3つの保健専門家グループが、このアイデアを提唱する記事を最近発表した。また、世界保健機関(WHO)は先週、COVID-19のヒューマンチャレンジ研究について、「倫理的に受け入れ可能な」基準の概要を示した文書を発表した。