購買力平価とは?

男性:購買力平価?

出口:購買力平価、つまり、コカ・コーラの価格が東京で100円の場合、ニューヨークで1ドルだったら、1ドル=100円という為替レートが成立します。
 コカ・コーラの価格で為替レートを見ると、生活実態に合っているでしょう? 
 これが「購買力平価」の考え方です。為替レートとは関係なくなります。
 もちろん実際には、コカ・コーラだけではなく、散髪代、タクシー代など、いろいろな日常生活に関するものをバスケットにして丁寧に計算するのですが、購買力平価で見ると、平成の30年間に日本のGDP世界シェアが9%から4%にまで落ちています。実に半分以下に縮んでいるのです。
 データで見れば、経済が強いはずがないというのが誰でもわかるはずです。

男性:製造業の技術の部分が負けていますよね。

出口:少なくとも新しい技術は日本からは出ていませんね。
 新聞にも、文科省が出しているデータですが、学術的論文数では先進国で10位ぐらいまで落ちているとありましたね。

男性:ということは消費税が上がっていくのですね。

出口:世界中の経済学者がいっているとおり、中長期的に見れば、ほかに解はないと思います。

男性:どうもありがとうございました。


 続きは次回にしましょう。

 過去の僕の『哲学と宗教全史』全連載は「連載バックナンバー」にありますので、ぜひご覧いただき、楽しんでいただけたらと思います。