5月から6月にかけては体が暑さに慣れておらず、熱中症を起こしやすい季節です。さらに今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で外出自粛を行っていた人が多く、例年よりも外に出る機会が減ったことから体が暑さに慣れにくくなっています。特に、子どもが熱中症になるリスクが高くなっています。熱中症は重症化すれば命にかかわることもあります。具体的にはどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?「イシ先生」こと、横浜市立大学大学院医学研究科循環制御医学教授の石川義弘医師にうかがいました。
子どもの熱中症は5月から急増
予防には「朝食」が有効
新型コロナウイルス感染症の影響で、全国で異例の休校措置が取られ、今でも、不要不急の外出を自粛する傾向が続いています。お子さんの心身の健康を保つため、密集・密接・密閉の「3密」を避けつつ、外で遊ばせることが大切になります。そこで気を付けなければいけないのが熱中症です。
体が暑さに慣れることを「暑熱順化(しょねつじゅんか)」といいます。今年は5月からとても暑い日が続いていますが、まだ暑さに慣れていないこの時期に熱中症で倒れる人が急増するのです。子どもは大人と比べてまだうまく汗をかけなかったり、地面の熱さが伝わりやすかったりするので、より一層の注意が必要です。
熱中症予防のため、大切なのは朝食をしっかり食べることです。
人は寝ている間に汗をかき、水分だけでなく塩分や鉄分も失われます。朝食を食べないまま遊びに出かけてしまうと、脱水症状になり、熱中症へと症状が移行していきます。朝食を取ると、水分だけでなく塩分も補給できて、体温を下げる効果がある汗もかきやすくなるので、必ず朝食は食べるようにしてください。