トップ営業マンに共通する「ヒアリング力」は謙虚さから生まれるトップ営業マンはまっさらな状態でお客様と向き合う(写真はイメージです) Photo:PIXTA

トップ営業マンは、お客さまの気持ちを熟知していると思われがちだが、実は「自分は理解できていない」という謙虚な姿勢でいることが多い。トップになるほど謙虚なのはなぜか。結果を出すには正しい「ヒアリング力」が必要なのだ。(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

トップ営業マンほど
謙虚な姿勢で臨む

「トップ営業マンはお客さまの心理を知り尽くしている」と思っている人が多いかもしれない。これは半分正解で、半分間違っていると言える。

 多くのトップ営業マンと話をさせていただくたびに「お客さまの気持ちがよく分かっているなあ」と感心する。お客さまのかゆいところに手が届くからこそ結果を出しているのだ。

 しかし、本人たちは「オレはお客さまの心理を知り尽くしている」といった思い上がった考え方をしていない。常に“自分は十分理解できていない”といった謙虚な姿勢で臨んでいるのだ。

 大手ハウスメーカーで15年以上トップレベルの成績を維持している営業マンとお会いした時のこと。この業界で2~3年トップを取る人はいるが、10年、15年と継続するのは至難の業だ。

 ここまでベテランになれば“お客さまの購買心理”などを完全に熟知しているように思えるが、そのトップ営業マンから意外な言葉を聞いた。

「私たち営業マンはお客さまの本当の感情も悩みも、ほとんど理解していないんですよ」と語ったのだ。確かに人の“心を奥深くまで理解している”と思うこと自体、おごりがあるのかもしれない。