2000年のITバブルや2008年のリーマンショックなど、今まで経済に影響を与えてきた現象は多い。しかし、今回の新型コロナウイルス禍は、近年の経済危機の中では「極めて異例」といってもいいような現象であろう。

 つまり、現在予想されている経済危機は、新型コロナウイルスの感染拡大により世界がロックダウンを強いられ、そのために観光や娯楽、外食といったサービス業の景況が悪化し、さらにはサプライチェーンの崩壊により製造業にまで悪影響が及ぶという予想であった。その上で状況によっては、企業が破綻したりすることにより金融危機をも引き起こすかもしれないという悲観的なシナリオがあった。

 そこで、そういったシナリオを回避するために、世界各国が積極的に金融緩和などの金融政策や財政出動を行い、金融危機までに至らないようにしている。その一方で、消費を喚起し、需要減が起きないようにするといった政策がとられているわけだ。

「原因があって結果がある」というように考えると、今回の場合は新型コロナウイルス感染拡大によるダメージが大きな原因であることは明確である。となると、そのダメージの強さが経済にも大きな影響を及ぼすと考えるのが普通であろう。

 もちろん、その後に金融政策や財政出動といったことで経済のダメージを最小限にしようとしているわけだから、財政出動の額の大きさといった部分も勘案しなければならない。

 しかし、それは本来、ダメージを回復するために行っていることであり、乗数効果のような増幅はあり得るにせよ、やはり根本的には、「感染者数の数」や「死亡者の数」といった新型コロナウイルスが直接その国に影響を与えたダメージが経済、特に実体経済に現れると考えるのが普通であろう。

感染被害が大きい米国の方が
中国よりも株式市場の回復が大きい

 そういった視点で考えると、実体経済を示す経済指標はまだはっきりしてこない部分があるが、実体経済の先行指標であるとされる株式市場における状況は、全くその国が受けたダメージとは異なっていると思われる。

 具体的には、世界有数規模の株式市場を持つ、アメリカと中国と日本を見てみたい。