新型コロナウイルスと人類は共存しつつある
コロナが今後どうなるかは誰にもわかりません。少なくとも現段階でいえることは、このウイルスはかなり人類に適応しており、共存関係に近づきつつあるということです。無症状のまま、誰かがウイルスを保持している可能性が高いので、今後も散発的に感染者は発生します。また、密集状況で人から人への感染があれば、クラスターとなって多くの患者が発生し、そこから派生して複数のクラスターが発生することも予想されます。北九州市では医療機関のほか、学校でもクラスターが発生しました。
インフルエンザと同じように、夏になって気温が上昇すれば収束するという意見もありますが、インドや東南アジア、ブラジルやアフリカのような高温多湿の国でも感染が広がっていることを考えると、必ずしもそうは言い切れない状況です。実際には気候よりも、人類のほとんどがこのウイルスに対する免疫を持っていないということのほうが大きく影響しています。日本でコロナの感染者数が減っているのは、自粛を伴う新型コロナ対策が功を奏したからであって、必ずしも季節と深い関係があるわけではないと考えるべきでしょう。
緊急事態宣言は解除されましたが、決してコロナが収束したわけでありません。油断は禁物なのです。夏の間に帰省を考えている方も多いと思いますが、重症化リスクのある高齢の親御さんに会う場合は、体調の変化に気をつける、手洗いや消毒を欠かさない、移動の際にソーシャルディスタンスを保つようにするなどの細心の注意が必要です。