新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染者数が全世界で300万人を超え、日本では1万4000人を超えました(4月30日時点)。日本は欧米と比較すると感染者の増加速度は緩やかですが、経路不明の感染者が増え続けています。われわれは、どうすれば大切な人を感染から守れるかを最優先に考えなければいけません。そこで、あらためて感染予防のためにみなさんに実行していただきたい4つのことを、感染症の専門家で国立病院機構三重病院臨床研究部長の谷口清州医師がイラストとともにわかりやすく解説します。

手洗いとアルコール消毒を徹底する

 外出した後、帰宅したら、まずは石けんを使って手洗いを行ってください。指のまた、つめや手のしわも意識して、20秒以上しっかり洗います。そして、きちんと洗い流しましょう。

 代わりに、アルコール消毒液で手や指を消毒する方法でも構いません。アルコールや石けんの界面活性剤はウイルスの膜を破壊し、水で洗い流すことで除去できます。ドアノブやスイッチなど、部屋のあちこちを触る前に手をきれいにしてください。アルコール濃度は60~95%が目安といわれていますので、一般的な市販のアルコール消毒液(濃度70~80%のものが多い)を使用すれば問題ありません。

 不要不急の外出はなるべく避けるようにしてください。ただし、家に閉じこもっているとふさぎ込んでしまいがちになるので、適度な運動をおすすめします。「3密」(密接・密集・密閉)を避けることができていれば、近所の散策は問題ありません。家でできる筋トレやストレッチなどもおすすめです。