新型コロナウイルスに関する緊急事態宣言が解除されましたが、北九州市で感染者の集団「クラスター」が発生するなど、予断を許さない状況が続いています。新型コロナの「第2波」は来るのでしょうか? 今後に備えて注意しなければいけないことについて、感染症の専門家でもある国立病院機構三重病院の谷口清州医師が解説します。
新型コロナウイルスはまだ収束したわけではない
日本国内での新型コロナウイルスの感染拡大は落ち着きつつあり、緊急事態宣言が解除されました。「これで自粛生活も一区切り」と考えている方も少なくないと思いますが、まだ安心はできないと考えたほうがいいでしょう。
中国、韓国などの東アジア諸国では第1波を終えて収束に向かっているように見えますが、世界的に見れば感染拡大ペースはむしろ加速しています。米ジョンズ・ホプキンズ大学の集計によると、5月30日の新規感染者数は13万4000人を超えて過去最高を更新しました。特にブラジル、インドなどでの感染拡大が進んでいるようです。
日本でも新型コロナウイルスの感染者が急増している北九州市では、市長が「第2波の真っただ中にいる」との認識を示しました。複数のクラスター(感染者集団)の発生も明らかになっています。