…>叱れないリーダーが増えている
そう考えれば、自分のプレイヤーとしての業績は関係なく、マネジャーとして叱ることは仕事であると思えてくるのではないでしょうか。
昭和時代のリーダーにはなかった傾向ですが、「叱れないリーダー」が増えています。
その一方で、「叱られる」ことを望んでいる部下は多いものです。仕事で成長したいと前向きに思っているのです。叱ることは、方法さえ間違わなければ問題ありません。
部下との関係がおかしくなるのは、たいてい「叱る」と「怒る」を混同しているからです。「叱る」は部下の行動改善のため、「怒る」はリーダー自身の感情のコントロールのためです。
「叱る」のは部下のためですから、気を使って部下を叱らないのは、自分勝手です。
リーダーとしての職務を果たしていないとも言えます。
まずは、
「今月も目標の数字には未達になりそうですね。
どのようにして取り戻していこうと考えていますか?(○)」
と、はっきり改善してほしい点を指摘し、質問します。その後、部下の切り返し方によっては次のように対応していきます。
…>「頑張ります」「何とかします」と具体的な考えが見えない場合
本当に考えていない場合もありますし、場を取り繕っている場合もあります。
このような場合は、「どう頑張っていこうと思っている?」「何とかしようと考えているのはわかったけど、具体的にはどう行動していこうと思っている?」と、突っ込んで聞いていく必要があります。
…>「リーダーだって未達じゃないですか」と言われた場合
このケースでは、まず部下の意見に対して言い返さないことです。
「確かに」と受け止めたうえで、「一緒に今後どうやって取り戻していくか考えよう。何かいい案はある?」と切り返し質問をしていくのです。
大切なのは、部下が答えを出すような質問にすることです。
この場合は「私は言えないけど」といった遠慮した言い方ではないので、部下に行動改善を促せます。
そのうえで、考えが稚拙で、その場を取り繕うとしている場合は、「その動きだと難しいな」「その方法だと難しいな」などと返し、「他にどう考えている?」と質問していきます。
質問を重ねていくと、返事に困って返せなくなります。その段階で、「どう行動したらいいか」のアドバイスをすれば、部下も受け入れてくれます。
部下育成はリーダーの重要な仕事です。部下の行動が誤った方向に進んでいる場合、叱って行動を修正する必要があります。
自分のプレイヤーとしての業績は関係なく、リーダーは叱るのが仕事なのです。
【ポイント】
プレイヤーとマネジャーは役割が違うだけなので、叱ることを避けない